EPAフィリピン人看護師エヴァーさん合格へのプロセス・・・・①

◆日比EPA看護師第一号となった足利赤十字病院エヴァーさん。その合格方法を院長の小松本先生に伺ってきました。
曇り空の5月末、院長室でのお話しは、先生の戦略により見事な結果を得ることができた喜びと自信にあふれ、来年につながることを確信しました。

■何事も、驚く事実を前にすると、いかにもそれらしいウワサが飛び交うものだか、事実を知るととてもシンプルであることが多い。

小松本先生にまず確認した。

一つはエヴァーさんの日本語力。もう一つは院内の学習システム。
まず、新聞報道にあった日本語能力試験2級合格は事実誤認で、3級合格とのこと。そして院内に高度な日本語教育システムがあり、それを構築したのはある言語学者であった、というはなし。これもちがっており、先生曰く、「勉強は主に私がみました。他に彼女たちの部署のスタッフたちがきちんとみてくれました」。

エヴァーさんたちは毎朝出勤すると院長室に直行し、昨日の宿題をチェックしてもらい、そして今日の宿題を出してもらう。これを毎日院長と看護候補生たちが実行してきたのである。ではどんな内容か大いに興味あるところで、後日郵送していただいて驚いた。宿題は1〜5に区分され、准看護師試験に出るような看護の基本問題から看護学生にお馴染みの「国民衛生の動向」、保健制度、そして国試の過去問に至るのである。これらを繰り返しくり返し5回ほどやったそうである。いわゆる日本語テキストは一枚もない。

つまり、まずは日本語能力を蓄えて、それから国試問題に取り組んで、、、というやり方ではなく、目的達成から逆算した学習内容で、エヴァーさんの来日目的は看護師資格を取得する事。そして看護師として働くこと。それなら来日初年度にライセンスを手にすることが目標になる。そのために限られた時間内で何が必要か。日常会話を覚えるよりも日本語による看護専門知識を覚えたほうが目的に近づけるし時間が有効に使える。むしろ、看護専門用語で日本語力をつける、という勉強法で、これが功を奏したということになる。