ベトナム自然人の移動小委員会に参加・於:ベトナム商工省 26,Nov

9月に引き続き、11月26日にハノイで日越PA看護師・介護福祉士に関するスキーム構築会議に出席しました。今回はAHPから4名が参加し、商工省会議室での長時間に及ぶミーティングは、実施に係る具体的な話題が多くでました。
田中さん(病院事務長)、剣持さん(介護教育)、日本で看護師資格を取得したマイさんと、AHPは実務者たちで構成し、ベトナム側の疑問に応える型をとりました。
出発の25日朝、成田発ハノイの直行便機内でもらった日経新聞を開くと「外国人受入れの展望と課題」と題した日本国際フォーラムの政策提言が載っており、TPPを構想するかのような内容でした。また29日には坂中英徳氏(移民政策研究所)がドバイで国際経済フォーラム(ダボス会議)における移民問題に日本人として初めて参加し、日本の受け入れ方について話されるそうです。
商工省をはじめとする委員会メンバーに、日本国内の最近の動きがこれまでとは違い、労働力の移動だけでないもっと大きな構想を描いていることから、人材育成と職業教育がますます重要性を帯び、それが両国の関係をさらに深めるものとなるように努力してきたいとお話しました。

2010年11月30日、ベトナム人看護師56名の苦労が報われた日

1990年の入管法改正で医療従事者に在留資格(ビザ)が新設され、高度人材として働くことができるようになりました。しかし医師は6年間、他の職種は4年間という期間制限が付いたものでした。その後2006年3月に医師には制限がなくなり、看護師は7年に延長、他は従来通りのまま。「日本語の壁は越えたのに・・・」と報道されたり、田原総一郎氏が自身のTV番組で「高度人材を使い捨てるのか」と訴えたり、世間的には矛盾を指摘する声が大きくありました。
そして待ちに待った看護師の就労期間撤廃の日、私はちょうどベトナムの医療省にいました。1994年からベトナム人看護師養成を共にやってきたソンさんやスタッフたちにこのニュースを伝えると、一瞬驚き、間もなく笑顔に。やっと自由になったね、と朗報に喜び合いました。
私はさっそくアメリカに行ったフエンさんに伝えると、即返信メールが届き「期限がなくなって、ほんとうによかったです」と。彼女は日本の看護が好きになり、やりがいを感じ、日本の患者さんの役に立ちたいと思いながら、在留期限や個人の事情でアメリカに渡り看護師になろうと勉強しています。これから彼女は日米を移動しながらどんな看護師に成長していくのか、楽しみです。